2022年11月8日、学林大樹57期生による卒林研究発表会が学林青梅キャンパスで開催されました。 57期Koichi Izumitaは「新仏教経済学」と題し、1960年代にドイツの経済学者シューマッハによって発表された仏教経済学に、大乗仏教的利他、菩薩の精神、コモンによる地域連帯などの価値を付加することによって、新自由主義的経済のアプローチを転換させていくことを提言。野崎隼平は「誰もが輝く世代間交流を目指して~多世代共創立正佼成会の展開~」と題し、立正佼成会が伝統的に有する多世代共創を現代的に復興する手法として、世代間交流学、エンパワメント理論などを活用しつつ、創造的提言を行いました。釣井希和子は「カトリックの対話概念の変遷と国際諸宗教対話」と題して、庭野開祖がオブザーバーとして参加した第二バチカン公会議から、歴代のローマ法王さまが対話をどのように理解し、実践されたかについて、回勅などを引用しながら考察。さらに、庭野開祖の対話実践やWCRPによる対話・協力のための諸宗教評議会設立などに触れ、立正佼成会が対話実践の世界的進化を再認識した上で宗教対話・協力活動を展開する必要があるとの提言を行いました。
杉野恭一学林学長は、「学林は、庭野開祖のビジョンのもと、グローバルな実践的仏教と宗教協力を学ぶ教育機関であり、そうした開祖の精神が卒林研究に力強く顕現されている」と述べました。さらに、「これらの研究は、仏教・法華経の精神に基づき、教団、日本、世界の未来を創造するための重要な提言である」と強調いたしました。
それぞれの研究に対し、松井ケティ先生(清泉女子大学教授)、河井信吉先生(金光教中野教会長)、大塚耕平先生(参議院議員)が講評を行い、教団を代表して、國富敬二理事長が挨拶を行いました。